私ども「高齢者における健康の社会階層格差のメカニズムとその制御要因の解明」研究グループは、独立行政法人日本学術振興会からの研究費助成(課題番号18H0351)を受け、「シニア世代の生活の軌跡と健康に関する調査」(2016年に実施)と「中年期男性の生活の送り方に関する調査-老後生活の安定に向けて-」(2017年に実施)にご協力いただいた方々を対象に、追跡調査を実施することといたしました。
日本だけでなく、欧米においても、高齢者における社会階層の健康影響、さらに高齢者がたどってきた生活の軌跡の健康影響については、未解明な部分が多い状況にあります。高齢社会を迎えている今日、高齢者の健康をいかに維持していくか、そのための方策を提示していくことは、高齢者にとってだけでなく、医療費や介護費用の社会的負担の軽減、若年労働力の不足への対応など社会全体にとりましても喫緊の課題となっております。
この調査は、高齢者における健康格差がどのようなメカ二ズムによって生じているのか、さらに格差を減らすために必要なことは何かを明らかにすることで、高齢者の健康維持・増進のために必要な社会的な仕組みについての提案が可能と考えております。調査の趣旨をご理解いただき、ぜひとも調査にご協力賜りますようお願い申し上げます。
研究代表 桜美林大学大学院老年学研究科 教授
杉澤 秀博
杉澤秀博が大会長を務めました(基調講演「集学的老年学と学際的老年学」)。また原田謙がシンポジウムⅠ「『学際的』な老年学研究のこれまでとこれから」のコーディネーターを務めました。